チェリーウィスキー(クラフト祭り)
- からあげの拓
- 2018年1月17日
- 読了時間: 3分
クラフト祭りのラインナップを、順にご紹介します。
クラフトビールのカスケードは、すでに今週のクラフトビールで紹介していますので、今日はクラフトウイスキー(地ウイスキー)のチェリーウイスキーをご紹介します。
チェリーウイスキーは、漫画「レモンハート」にも登場した笹の川酒造が造る国産ウイスキーです。(残念ながら、なぜか実写版のドラマでは紹介されませんでした。)

全国的にファンが多く、1980年代の地ウィスキーブームの際は、「西のマルス、東の東亜、北のチェリー」 などと呼ばれ、驚異的な人気だったそうです。 余談ですが、「西のマルス」と呼ばれたマルスウイスキー(本坊酒造)は、当初は西日本(鹿児島醸造所)にて製造されていましたが、1985年に長野県駒ヶ岳山麓の「信州マルス蒸留所」に引き継がれています。
また、「東の東亜」と呼ばれた東亜酒造ですが、一時ウイスキー事業から撤退した際、貯蔵していた原酒を残すために奔走したのが、東亜酒造創業者の孫である肥土伊知郎氏で、保管を引き受けたのがチェリーウイスキー製造元の笹の川酒造です。
その後、肥土伊知郎氏は埼玉県秩父市にベンチャーウイスキーという醸造会社を創業し、笹の川酒造に預けていた原酒から「イチローズ・モルト」を産み出し、数々の賞を受賞しました。世界最高のウィスキーを決めるWWA(ワールド・ウィスキー・アワード)でも、5年連続でカテゴリー別日本一という栄冠に輝き、現在では世界中のウィスキー愛好家が求めるウイスキーとなっています。(香港のオークションで1本4,800万円で落札されたこともあります。)
ちなみに、2005年に発売された最初の「イチローズ・モルト」は笹の川酒造製です。(ボトルの裏ラベルの製造者欄は笹の川酒造となっています。これは希少です。)
笹の川酒造が原酒を預かっていなければ、現在の「イチローズ・モルト」は誕生しなかったわけです。
その笹の川酒造は、今から250年以上前の1765年(明和2年)創業の歴史ある酒蔵(酒造りの記録は、300年以上前の1710年(宝永7年)から)です。戦後間もない1946年にウィスキー製造免許を取得して作られたのが、今回クラフト祭りにご用意したチェリーウイスキーです。
チェリーウイスキーの名前の由来は、笹の川酒造という名前になる前、山桜酒造という社名だったことからきているそうです。東北地方で唯一、ウイスキー製造免許を持っている会社ですが、そもそもサントリーとニッカの大企業以外でウィスキーを製造・販売している醸造所は、日本では希少なのです。
肝心のチェリーウイスキーですが、アルコール度が37%とあまり高くなく、気品のある香りと、コクのある味わいが特徴です。シングルモルトのグレンフィディック15年と比べると無臭と誤解してしまうほど香りは強くなく、口に含むとほどよい苦みがあり、とてもマイルドです。 余韻は極弱く、甘味がやや強い味わいです。水で割ると更に柔らかくなります。
おすすめは、やはりハイボールですね。ロックもイケます。

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